John Galliano
ジョンガリアーノ
John Galliano(ジョンガリアーノ)の歴史
イギリス、ロンドンの名門セント・マーティンズ校で類まれなる才能を発揮して優秀な成績で卒業し、フランス革命に触発された卒業制作は大きな話題となったJohn Galliano(ジョンガリアーノ)の作品は世界中で愛されています。その歴史と魅力を紹介していきたいと思います。
1960年にイギリスの植民地であるジブラルタルに誕生し、本名はホアン・カルロス・アントニオ・ガリアーノとなっています。父親はジブラルタル出身でロンドンで配管工を経営していて、母親はスペイン人という家庭環境の元育ちました。父の働いていたイギリス、ロンドンに6歳で移住しています。
ウィルソングラマースクールを卒業後の進路はセントマーチンズのテキスタイル科(途中テキスタイル科からモード科に移籍)に進んでいます。このセントマーチンズはロンドン芸術大学のひとつで、ALEXANDER McQUEEN(アレキサンダーマックイーン)やSTELLA McCARTNEY(ステラマッカートニー)など輩出しています。
1984年にセントマーチンズのモード科を首席という優秀な成績で卒業し、その卒業制作のコレクション「アフガニスタンとヨーロッパの理想」がロンドンのサウス・モルトン・ストリートのブティック「ブラウンズ」のショーウィンドウを飾り､大きな反響を呼んでいます。この事がきっかけで、ブティック「ブラウンズ」のJoan Burstein(ジョーン・バーンスタイン)がガリアーノと5年契約を結ぶなど、早くからその才能を認められていた事がわかります。ガリアーノのデビュー当初はジャケットをボトムに使った「さかさまの服」、ジャケットを逆さまにそして裏返しにしに着用するデザインなど、大胆で奇抜な作風が大きな話題となっています。
また翌年の1985年にイギリスのロンドンコレクションでデビューし、 当初はデリケートなバイアスカットのドレスと、オーダーメイド・スーツは周囲から高い評価を受けていましたが、決して順調な滑り出しとはいかなかったようで、投資者とデザインの問題でトラブルになったり、その斬新で前衛的なデザインが「売れない服」という烙印を押されたりして苦労したそうです。
当時のファッションの主流はグランジファッションとミニマリズムで、それに対してガリアーノの服は「売れる服」という意味では世間からの受けが悪かったみたいで、さらに資金が少なくでコレクションを開くことができなかった事もありました。しかしその才能と手法・創造力は高く評価され、後にGIVENCHY(ジバンシィ)のデザイナー抜擢されるなど大出世します。
そして1989年にはA/Wパリ・オートクチュール協会の招待でコレクションを発表し精力的に活動をしています。1991年にはフランスのパリ・コレクションの正式メンバーに加入し、コレクションの発表の場をイギリスのロンドンからフランスのパリに移す決断をします。
パリに移ってもロンドン時代と同じく資金繰りに苦労していたみたいで友人の家で寝泊りしながら、何度も投資家にお願いをしてまわり資金の工面に奔走していたそうです。さらに生地が買えず作品数は17着と少なく、カラーはブラックの生地のみという事もあり作品のすべてはブラックで、モデルも有志で参加という非常に資金面で苦労したコレクションも経験しました。苦難の連続でしたがそれを何とか乗り越え、1990年代半ばに大きな転機を迎える事になります。
それは1995年GIVENCHY(ジバンシィ)が1995-96A/Wオートクチュールコレクションを最後に自身のブランドを引退しました。そしてなんと後任としてJohn Galliano(ジョンガリアーノ)が1996S/Sからジバンシィのデザイナーに大抜擢されます。これはLVMHグループによって大抜擢されて、このガリアーノの抜擢は大きな波紋を呼んでいます。
翌年の1996年にはGIANFRANCO FERRE(ジャンフランコフェレ)後任となりCHRISTIAN DIOR(クリスチャンディオール)のデザイナーに就任しま、ガリアーノによるGIVENCHY(ジバンシィ)のコレクションは1996S/Sと1996A/Wシーズンの2回のみとなり、その後はALEXANDER McQUEEN(アレキサンダーマックイーン)に引き継がれました。
そして1997S/S、オートクチュール・コレクションからディオールのデザイナーとしてデビューを果たし、現代版ニュールックを発表するなど、胸を強調し、細いウエスト、スカートは現代風にミニになりました。このコレクションのテーマは「マサイ族｣というユニークなものだったそうです。同年には「ブリティシュ・デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。この賞は4度目の受賞だったそうです。
DIOR（ディオール）のプレタポルテ部門の売上げはガリアーノの手腕により爆発的に伸びましたが、しかし2011年にバーで酒に酔い、カップルに対して差別的な発言をした事により警察に一時拘束される事件を起こしてしまい、ブランド「クリスチャン ディオール」および自身のブランド「ジョン ガリアーノ」を解雇される事になりました。一時の過ちとはいえやはり海外はこういう事件に対して厳しいなという印象を個人的にはもちました。
その後ブランドJohn Galliano(ジョンガリアーノ)の後任のクリエイティブ・ディレクターには、これまでブランドを支え貢献してきたビル・ゲイテンが就任しています。そしてジョン・ガリアーノは2014年Maison Martin Margiela(メゾン・マルタン マルジェラ)のクリエイティブ・ディレクターに就任しています。
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残念ながら差別的な発言の事件によりブランドを解雇されてしまったガリアーノですが、その実力は本物で、5AC｜マルジェラ（Maison Margiela）やGLAMSLAM｜マルジェラ（Maison Margiela）、サドルバッグ｜ディオール（Dior）などの名作を生み出しています。デザインの特徴はオリジナリティに溢れ「オンリーワン」の一言に尽きるかと思います。
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