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YVES SAINT LAURENT

イヴサンローラン

YVES SAINT LAURENT (イブサンローラン)SAINT LAURENT (サンローラン)との違いとは？

YVES SAINT LAURENT (イブサンローラン)とSAINT LAURENT (サンローラン)は同じ企業が運営しています。

・YVES SAINT LAURENT (イブサンローラン)は正式名称は、YVES SAINT LAURENT BEAUTE(イブサンローランボーテ)でこちらはコスメや香水を販売しているブランドとなります。「YSL」のロゴを見たことがある人は多いのではないでしょうか。

・SAINT LAURENT (サンローラン)の正式名称は、SAINT LAURENT PARIS（サンローランパリ）で、YVES SAINT LAURENT (イブサンローラン)の中でもアパレルラインに位置づけられています。

簡単に申しますと「コスメ、香水」と「アパレル」の違いというわけです。

歴史

1936年、アルジェリアの港町オランで生まれたMonsieur Yves Saint Laurent（ムッシュイヴ・サンローラン）は父親が映画館のチェーンを所有するなど割と裕福な家庭環境下で育ちました。彼は17歳の時にパリオートクチュール組合経営の学校に入学し、IWS(国際羊毛事務局)主催のデザインコンクールに応募し、ここで発表したカクテルドレスがドレス部門最優秀賞を受賞をします。コンクール入賞を機に1954年に有名ファッションブランドであるCHRISTIAN DIOR（クリスチャン-ディオール）に入ります。その後1957年にCHRISTIAN DIOR（クリスチャン-ディオール）が死去してしまいます。そしてディオールの意志によってわずか21歳という若さで後継デザイナーとなります。

翌年の1958年にはパリで初めてのコレクションか開催しそこで「トラペーズライン」を発表し、このコレクションはニーマン・マーカス賞を受賞し周囲から高い評価を得ることに成功しました。しかしホブル・スカートと60A/Wの「ビートライン」と称されたストリート感覚のスタイルはエレガンスではないと不評に終わります。

1960年代に入りアルジェリア戦争に徴兵されたことを機に、ディオールを解雇される不運が訪れます。しかし翌年の1961年にはピエール・ベルジェ、アメリカの実業家マック・ロビンソンと組みオートクチュールメゾン「YVES SAINT LAURENT（イヴサンローラン）」を設立します。その後の活躍は素晴らしいもので60年代を代表するブランドにまで成長し、1966年には「イヴ・サンローラン」のプレタポルテライン「イヴ・サンローランリヴ・ゴーシュ」のブティックをパリ6区、左岸に開設し、さらには1960年代後半には、大腿部までのロングブーツやサファリ・ルック、・ドレス、ポップアート・ミリタリー・シースルー・ルック、パンタロン・スーツ、ドレスなどを数多くの作品を発表し成長を続けました。

1960年代を代表するアイテムとして1966年のスモーキング＝タキシードがあります。これは男性用のタキシードにアレンジを加えて、女性用のスーツが生みだしました。1970年代に入るとコサック・ルックやフォークロア調のデザインを発表して世間からは「モードの帝王」とまで呼ばれるように名声を得ます。1985年、レジヨン・ドヌール勲章を受勲します。

1993年にはデ・ドール賞を受賞し、同年にはサノフィ・ボーテ社がYVES SAINT LAURENT（イヴサンローラン）を買収する事となります。1997年にメンズライン「イヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュオム」のアーティスティック・ディレクターにエディ・スリマン氏が就任。翌年の1998年、ジーンズライン、「サンローラン」を発表。ジーンズラインもスリマンが担当しました。1999A/Wからレディースライン「イヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュ」をアルベールエルバスに任せます。このアルベールエルバス氏は後にLANVIN（ランバン）のデザイナーに就任しブランドを立て直す程の凄腕デザイナーです。SAINT LAURENT（サンローラン）自身はオートクチュールのみに担当することになりました。

1999年、ピノー･プランタン･ルドゥート社のオーナーであるフランソワ・ピノーがホールディングスカンパニーを通して、サノフィ社を買収。「イヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュ」及び香水部門、オートクチュール部門は、PPRグループに入ります。またイヴ・サンローラン社がGUCCI（グッチ）社に買収されたのを受け、2001S/Sよりリヴ・ゴーシュのデザイナーにトムフォードが就任する発表がありました。

2002年のパリ・オートクチュール・コレクションを最後にサンローラン氏は引退し、残念ながらオートクチュール部門は閉鎖します。以後、ブランドはリヴ・ゴーシュのみの展開となります。翌年の2003年にトムフォードが辞任。後任を任されたのはあの有名なARMANI(アルマーニ)、PRADA（プラダ）で経験を積んだステファノ・ピラーティ氏です。

Monsieur Yves Saint Laurent（ムッシュイヴ・サンローラン）はその長年の功績からフランスの大統領サルコジからレジオン・ドヌール勲章グラントフィシエ受章を2007年に受けます。残念ながら翌年の2008年6月1日、Monsieur Yves Saint Laurent（ムッシュイヴ・サンローラン）が享年71歳で癌のため逝去しました。このニュースはファッション業界に大きな話題となりその功績は計り知れません。2012年、エディ・スリマンがイヴ・サンローランのクリエイティブ・ディレクターに就任するとファッション部門のブランド名をSAINT LAURENT（サンローラン）に改名しました。これによりYSLを縦に並べた「カサンドラ」ロゴはあまり表舞台に登場しなくなります。

2016年、エディ・スリマンがクリエイティブ＆イメージディレクターを退任。後任としてアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)がクリエイティブ・ディレクターに就任。ヴァカレロは、自身の名を冠したAnthony Vaccarello（アンソニーヴァカレロ）のほか、ヴェルサスヴェルサーチェでもクリエイティブディレクターを経験した人物です。

2023年、子会社であるサンローランプロダクションの設立により、ラグジュアリーブランドとして初めて本格的な映画制作を行うなど新しい分野の開拓にも意欲的です。