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ブランドの歴史について

1881年にイタリアのビエラにて2人の兄弟およびいとこと共同で設立されたCERRUTI（チェルッティ）は創業当初は綿工場としてスタートしました。現在も拠点が置かれているセルボ川のほとりに「Lanificio Cerruti（ラニフィーチョ・チェルッティ）」の工場を建て、革新的かつ品質の確かな生地の生産に注力していきました。

その後の2代目シルヴィオ・チェルッティ時代には叔父である「クインティーノ」という会社を経営しています。1945年には従業員700人が織機140台、回転スピンドル7,100個を備えたLanificio Cerrutiで働いていたと記録に残っているほど、当時の稼働率は高かったと考えられます。そしてシルヴィオ・チェルッティ氏は、「イタリア羊毛産業協会」の会長に任命されるほどの大きな影響力を持ち、当時問題とされていた割り当てられる原料の脂っこい羊毛の量の課題を見事に解決して、羊毛部門を好転させるという功績を残しています。

その後3代目のNino Cerruti(ニノ・セルッティ)氏が社長に就任したときにファッションブランドへ転換していきました。Nino Cerruti(ニノ・セルッティ)氏はブランドで改革を決意し、実行していきました。長年にわたり培ってきた生地の生産技術を生かして1950年代にはアパレル分野に進出していきます。そして1957年にはイタリアのミラノコレクションでHitman（ヒットマン）というブランドを発表しています。

この当時の常識としてはデザインと製造は分かれているのが常識でした。しかしこのコレクションではブランド内で製造から仕上げまで一貫して行う手法を採用します。この分業するという事は当時においてファッション業界では革新的な事でした。元々が生地を取り扱うメーカーでしたので、上質な高級生地を使用するのはお手の物で、作られるアイテムは肌触りがとても良く、周囲から高い評価を受けています。デザインは全体的にクラシカルなスタイルでファッションショーの最後には黄色いニットを肩にかけて出てくる事が定番となっています。

1965年にはヒットマンのデザイナーとしてARMANI(アルマーニ)の才能に着目して彼をスカウトし、1970年までメンズコレクションをデザインを担当しました。1967年にはブランドの「CERRUTI」を発表して同年にはフランスのパリにショップをスタートさせました。またこの当時のファッションを牽引していたフランスのパリに事業の拠点を移しています。

1990年に公開された大ヒット映画「プリティウーマン」では、主演のリチャード・ギアが着用するスーツにCERRUTIが抜擢され、世界中の認知度が一気に上がります。そしてそれ以降数々の映画に衣装提供しています。

1996年からから数年間デザインディレクターとしてNarciso Rodriguez（ナルシソ ロドリゲス）が在籍しています。また2000年に世界進出を図り、その事業拡大を目的とした資金調達のためイタリアの「Fin.part」に株式の51％を売却して「Fin.part」に買収されるかたちになりました。その後ですが、Nino Cerruti(ニノ・セルッティ)氏は経営方針の考え方の違いにより対立してしまい、手元に持っていた残りの株式を売却せざるを得なくなります。そして残念ながら自身が気付き上げたブランドを去り一族は完全にCERRUTIから去る形となってしまいます。

その後は次々とデザイナーが入れ替わる事態となり、なかなかデザイナーが定着しませんでした。数年間でDavid Cardona氏やBURBERRY(バーバリー)でデザイナーをしていたRoberto Menichetti（ロベルト・メニケッティ）氏、DONNA KARAN （ダナ キャラン）出身のIstvan Francerが担当していました。

2005年には「Fin.part」が破産してしまい、翌年の2006年にCERRUTIをプライベート投資ファンドの「MatlinPatterson」に売却されます。この時の売却価格は明らかにされていません。そしてCEOに会社の弁護士を担当していた、Philippe Cleach氏が就任する事になります。そして同年の2006年にMatlinPattersonはクリエイティブディレクターとしてDior Homme(ディオールオム)で務めていたNicolas Andreas Taralis（ニコラ アンドレア タラリス）が就任しましたが、ここでも思うように定着せずにわずか1年で退任しています。その後の新デザイナーにはJEANPAULKNOTT（ジャンポールノット）が就任しています。

2009年、Richard Nicoll（リチャード ニコル）がレディースのディレクターに就任し、2012年には新アーティスティック ディレクターにAldo Maria Camillo（アルド・マリア・カミッロ）が就任します。

2022年1月15日に3代目でブランドの貢献に大きく携わってきたNino Cerruti(ニノ・セルッティ)氏は残念ながら91歳で死去してしまいます。ブランドとしてイタリア5大生地メーカーにまで上り詰めたのは彼の功績であり、これからずっと語り継がれることになるでしょう。

イタリア五大生地メーカー

CERRUTIはイタリア五大生地メーカーと呼ばれるひとつで、他のブランのも長年の歴史があり世界中で支持されています。その五大生地メーカーを簡単に紹介させていただきます。どれも一度は耳にしたことのある有名メーカーですので興味のある方はチェックしてみて下さい。

• Loro Piana（ロロ・ピアーナ）
• FRATELLI TALLIA DI DELFINO(フラッテリ・タリア・デルフィノ)
• Ermenegildo Zegna（エルメネジルド・ゼニア）
• CARLO BARBERA(カルロ・バルベラ)
• CERRUTI(チェルッティ)

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